「伊勢神宮へは夫婦で行ってはいけない」と言われているのをご存知でしたでしょうか。
しかし、このような制限は現在ありません。夫婦で参拝しても問題ございませんので、ご安心を。
伊勢神宮とその近くにある猿田彦神社では神前式(=結婚式)を堂々と催しておりますし、その点から考えても矛盾しまくりですから、特に気にしなくて大丈夫です。
それでは、なぜこのようなことが言われ出したのか。
- 伊勢神宮に夫婦で行ってはいけない。という噂が広まった理由
- 伊勢神宮参拝時のルール
- 伊勢神宮参拝時に行った方がよいところ
について、書いていきます。
目次
伊勢神宮に夫婦で行ってはいけない。という噂が広まった理由
これは3つあります。
- 天照大御神様に嫉妬されるから
- 伊勢神宮の近くに遊郭があり、男性がそこに行くために意図的に噂を流したから
- 実際に別れてしまう夫婦がいるから(でも、実際にはただただ参拝者が多いだけ)
以下、それぞれ解説していきます。
天照大御神様に嫉妬されるから
伊勢神宮のご祭神であらせられる天照大御神様は女性の神様です。
ですから、夫婦で行くと、その天照大御神様から嫉妬されて別れさせられるという逸話から、伊勢神宮へ夫婦では行ってはならないと言われ出したのです。
しかし、それはガセネタ。
天照大御神様にまつわる真実のエピソードは、伊勢神宮では夫婦神である天照大神と豊受大神を祀っており、日本の神話の中で夫婦が神格化された神様であるとされることから、かつては夫婦そろっての参拝を避ける風習があったとされているのです。
なぜ、夫婦が神格化されているから夫婦での参拝がダメなのかと言うと、夫婦として神格化されているということは、その婚姻関係自体に神話的な意味があるということ。その中で、夫婦で参拝するということはこの神話の意味を無視することになり、神々への不敬となるのです。
だから、夫婦で伊勢神宮へ参拝するのはNGというわけなのです。
しかし、神道において、そのような教義は現在存在しませんので、気にしなくて大丈夫です。
伊勢神宮の近くに遊郭があり、男性がそこに行くために意図的に噂を流したから
江戸時代に日本三大遊郭と言われた遊郭が、伊勢神宮の内宮と外宮の間にあったんですよね。
その時代、男性は「伊勢神宮に行ってくる」と言いながら、実際の目的はその遊郭にあったことから、ただただ奥さんにバレずに遊郭に行きたいがために、「伊勢神宮には夫婦で行ってはいけない」という噂を意図的に流して、あたかも真実のように語られるようになったというのがひとつの理由です。
実際に別れてしまう夫婦がいるから(でも、実際にはただただ参拝者が多いだけ)
伊勢神宮には、毎年約800万人もの参拝者でにぎわいます。
これだけ参拝者が多ければ、そりゃあ中にはお別れする夫婦もいらっしゃいますよね。つまり、母数がむちゃくちゃ多いばっかりに、離婚してしまう夫婦もそれだけ多いというお話なだけで、伊勢神宮に夫婦で行くと別れるというのは迷信でしかありません。
伊勢神宮参拝時のルール
日本一のパワースポット神社と言っていい伊勢神宮。
そんな伊勢神宮に参拝するのですから、やってはいけないことはきちんと守っておきたいところ。
伊勢神宮参拝時には、以下のことはやってはいけない。と言われています。
- 外宮だけ、内宮だけを参拝すること
- 鳥居の前で一礼をせずに進むこと
- 正宮で個人的なお願い事をすること
外宮だけ、内宮だけを参拝すること
伊勢神宮には、外宮と内宮の2つの神殿があります。
外宮は豊受大神を、内宮は天照大神を祀っています。
伊勢神宮参拝者は、先に外宮、そして次に内宮と両方を参拝することが望ましいとされています。一方だけを参拝することは、神々への不敬とされています。
外宮と内宮にはそれぞれ3つ、2つの内宮がありますが、内宮をまわる際は外宮⇒外宮の内宮3つ⇒内宮⇒内宮の2つという順番でまわるのが適切です。
鳥居の前で一礼をせずに進むこと
伊勢神宮には、外宮と内宮を仕切る鳥居があります。参拝者は、鳥居の前で一礼をすることが望ましいとされています。これは、鳥居が神聖な境界を示しているため、神々に敬意を表する行為です。鳥居の前で一礼をせずに進むことは、神道の教義に反する行為とされています。
正宮で個人的なお願い事をすること
伊勢神宮の正宮とは、天照大神を祀る神殿のことを指しています。
ここでは、参拝者は神々への敬意を表すため、自分自身の願い事よりも神々への感謝や祈りを捧げることが望ましいとされています。
個人的な願い事をすることは、神道の教義に反する行為とされています。
伊勢神宮の公式サイトでも、「御神前では、感謝の心を捧げてお参りください」と書かれています。
その他、
- 神職に無断で写真を撮ること
- 神社内で飲食すること
- 神社内での喧嘩や不適切な行動をすること
- 神社内でのタバコの喫煙やゴミの投げ捨てなどのマナー違反
といった伊勢神宮に限らず、常識ある行動をすることを肝に銘じてください。
伊勢神宮参拝時に行った方がよいところ
- ハートの石
- 二見興玉神社
- 鈴の音殿
- おはらい町並みを散策する
- 御膳所で御朱印をいただく
- おはらい広場でお祓いを受ける
ハートの石
内宮地下参道の壁面にハート石が埋め込まれています。
具体的な場所は、市営宇治浦田駐車場から内宮おはらい町を結ぶ地下参道「内宮おかげ参道」があり、その壁面です。
観光客からパワースポットとして、近年人気があります。
二見興玉神社
夫婦岩(めおといわ)があることで有名な神社です。
伊勢神宮に参拝する前に禊のため訪れるとよいとされています。
御祭神は、猿田彦大神。
- 禊払い
- 道開き
- 縁結び
- 夫婦円満
といったご利益があることで有名です。
鈴の音殿
鈴の音殿は、外宮と内宮の中間地点にある神社です。
ここにある大きな鈴を鳴らすと、心の清めができるとされています。
夫婦で手を合わせ、健康や家族の幸せなどの願いを込めて、鈴を鳴らしてみるのも良いでしょう。
おはらい町並みを散策する
伊勢神宮の外宮から内宮へ向かう参道沿いには、江戸時代の町並みが残る「おはらい町並み」があります。
夫婦で散策することで、当時の街並みや文化を感じることができます。
御膳所で御朱印をいただく
御膳所は外宮の参道にあるお店で、伊勢神宮の御朱印をいただくことができます。夫婦で御朱印をいただくと、夫婦の絆を深めることができます。
おはらい広場でお祓いを受ける
おはらい広場は、伊勢神宮内にあるお祓いの場所です。
夫婦でお祓いを受けることで心身ともに清め、良縁や家内安全を願うことができます。